敏感肌のニキビが繰り返す原因
敏感肌のニキビが繰り返す原因

実は、敏感肌×ニキビのケアには、よくある「誤解」があります。その代表例が「ニキビがある=油分・保湿は控えるべき」という考え方です。このケアを続けている限り、ニキビは繰り返し続けます。

敏感肌でニキビができやすい「本当の理由」

●バリア機能の低下から始まる悪循環

バリア機能が低下すると、まず肌の水分が逃げやすくなり、乾燥が進みます。すると肌はその乾燥に対抗しようと、皮脂を過剰に分泌するようになります。これがいわゆる「乾燥しているのに脂っぽい」状態であり、インナードライと呼ばれる肌タイプに多く見られます。過剰な皮脂が毛穴に詰まると、ニキビの初期段階であるコメド(白ニキビ・黒ニキビ)が形成されます。コメドができた毛穴内ではアクネ菌が増殖しやすくなり、炎症が起きてニキビへと進行します。そしてニキビによる炎症はさらにバリア機能を傷つけ、また乾燥へとつながっていくーーこのループが、ニキビを繰り返させている正体です。

バリア機能の低下から始まる悪循環
バリア機能の低下から始まる悪循環

●思春期ニキビと大人ニキビ(インナードライ型)の違い

思春期ニキビは、ホルモンバランスの変動によって皮脂分泌が活発になることが主な原因です。額や鼻などのTゾーンに多く現れ、皮脂のコントロールやオイルフリーの処方を重視したケアが基本になります。一方、大人になってからも繰り返すニキビの多くは、乾燥→皮脂過剰というインナードライが原因です。頬やフェイスラインなどのUゾーンに出やすく、保湿をしっかり行い、刺激を避けた低刺激ケアが重要になります。敏感肌の方のニキビは、このインナードライ型が多いといえます。「皮脂が多いのに保湿するの?」という疑問を持ちやすいですが、むしろ保湿によって皮脂の過剰分泌を落ち着かせることが、ケアの軸になります。

思春期ニキビと大人ニキビ(インナードライ型)の違い
思春期ニキビと大人ニキビ(インナードライ型)の違い

敏感肌×ニキビのスキンケア 全ステップ横断ガイド

STEP1:クレンジングの選び方と使い方

乾燥性敏感肌でナチュラルメイクが多い場合は、ミルクタイプやクリームタイプのクレンジングがおすすめです。肌に密着しながら汚れを包み込んで落とすため、擦る力が少なくて済み、洗浄力も過剰になりにくい特性があります。オイルタイプを使う場合は「乳化」が非常に重要です。クレンジングオイルを水と混ぜて白濁させてから洗い流すことを乳化といいますが、乳化が不十分なまま洗い流すと、オイルと皮脂が混ざった状態が毛穴に残り、詰まりの原因になります。クレンジングオイルを肌になじませたあと、少量の水を足してよく混ぜ合わせ、白濁したのを確認してから洗い流すようにしましょう。避けたいのが、シートタイプのクレンジングです。摩擦が生じやすく、敏感肌にはダメージを与えるリスクが高くなります。また、どのタイプを選ぶ際にも「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示があるものを優先しましょう。これは実際にヒトの肌を使ってコメドができにくいことを確認したテストをクリアした製品に表示されるもので、ニキビが気になる方が製品を選ぶ際の有効な指標になります。

STEP2:洗顔の選び方と使い方

敏感肌×ニキビのケアに適しているのは、アミノ酸系洗浄成分を使った洗顔料です。アミノ酸系洗浄成分は、肌のタンパク質と同じようなアミノ酸をベースに作られているため、皮膚への刺激が少なく、必要な水分を残しながら汚れを落とす性質があります。成分表を見たときに「ラウロイルグルタミン酸Na」「コカミドプロピルベタイン」「ラウロイルメチルアラニンNa」などが上位に表記されていれば、アミノ酸系洗浄成分が主体の処方である目安になります。洗い方も、ニキビを悪化させないために重要です。泡立てたらたっぷりの泡を顔にのせ、泡でなでるように洗います。指の腹で肌を直接こすらないことが大切です。洗い流すときは、ぬるま湯(32?34℃前後)でていねいにすすぎ、洗い残しがないよう気をつけましょう。洗顔後のタオル拭きも摩擦の原因になるため、清潔な柔らかいタオルで押し当てるようにして水気を取るのがおすすめです。

STEP3:化粧水(ローション)の選び方

敏感肌×ニキビのケアで優先したい保湿成分は次の3つです。
●セラミド(特にヒト型セラミド):角質細胞の間を埋める細胞間脂質の主成分。バリア機能の土台を構築し、水分の蒸発を防ぎます。「セラミドNP」「セラミドAP」「セラミドEOP」などがヒト型セラミドの代表的な成分名です。
●ヒアルロン酸:1gで6Lの水分を保持するといわれる高い保水力を持ちます。「ヒアルロン酸Na」として成分表に記載されます。
●グリセリン:肌の水分を引き寄せて保持する保湿成分。低刺激で多くの化粧品に配合されている汎用性の高い成分です。

ニキビ予防に有効な成分として注目したいのが、グリチルリチン酸ジカリウムです。グリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症作用を持ち、肌の赤みや炎症を抑える医薬部外品の有効成分として認められています。反対に、避けたほうがよい成分もあります。高濃度のエタノール(アルコール)は揮発性が高く、肌の水分を奪いながらバリア機能を低下させます。合成香料は肌への刺激になる可能性があり、敏感肌には刺激となることがあります。コメドジェニック性(毛穴詰まりを起こしやすい性質)が指摘される一部の鉱物油については、特にニキビが気になる部位への使用には注意が必要です。

STEP4:乳液・クリームの選び方

化粧水だけでスキンケアを終わらせると、肌に補給した水分が蒸発して、かえって乾燥が進みます。乾燥すると皮脂が過剰に分泌され、コメドの形成につながります。乳液やクリームには、この水分の蒸発を防ぐフタの役割があります。選び方のポイントは、オイルフリー(無油分)処方かどうかの確認です。オイルフリーの乳液やジェルタイプのクリームは、コメドジェニック性のある油分を含まないため、毛穴への負担が少なくなります。成分表に「ジメチコン」「シクロメチコン」などのシリコン系保湿成分が配合されている製品は、べたつきが少なく使いやすいものが多いです。こちらも「ノンコメドジェニックテスト済み」の表示を確認することをおすすめします。また、植物由来の保湿成分が配合されたスキンケアは、乾燥しやすい敏感肌のうるおいを守る選択肢のひとつです。ホホバオイル、シアバター、アロエベラエキスなどは保湿目的で使われることがあり、肌の乾燥が気になる方にも取り入れやすい成分です。ただし、どの成分も肌に合う・合わないには個人差があるため、初めて使う製品は少量から試すと安心です。

STEP5:美容液の選び方(ニキビ跡ケア兼用)

炎症後の赤みが残っている場合は、抗炎症成分での働きかけが有効です。グリチルリチン酸ジカリウムやアラントインは、炎症を落ち着かせ赤みを和らげる作用があります。茶色く色素沈着した状態には、美白成分でのアプローチが中心となります。ビタミンC誘導体はメラニンの生成を抑えると同時に、抗酸化作用によって酸化ダメージを防ぎます。凹凸・クレーター状になってしまっている場合は、コラーゲン生成を促す成分(レチノールなど)が選択肢のひとつになりますが、敏感肌には刺激が強いことがあるため、低濃度のものから少量・低頻度で導入するのが基本です。

次月、【後編】具体的なケア方法をご紹介!

●成分チェックリスト ●やってはいけないNG行動 ●生活習慣の見直し ●セルフケアで改善しない場合

医師のコメント
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